旅する花屋「ハヤシラボ」初体験。

益子の秋の陶器市は、初日と4日目の日曜日に参戦。

お天気に恵まれて、いつもの秋よりたくさんのお客様でごった返していた街。

その中でもひときわ目立つ行列がありました。

長さ3~40メートル。いったい何の行列?

でも最近益子では行列作家さんは何人もいるので

きっとまた誰か新しい作家さんが行列作家になったかな?と思いながら

覗こうにもあまりの人垣の多さに確かめる事も出来ず

その場を離れた初日でしたが、、

それが「旅する花屋 ハヤシラボ」さんだと知ったのが日曜日。

とにかく美しく、見た事もない花や緑がたくさん!!

後から調べたら、この日が一番花が充実していたそうで。

「今なら5人待ちだよ!」と知らせて下さった作家さんの声に

私も思わず列に加わりました。

並んではみたものの、いったいどんな風に注文するのか、

全てお任せになるのか、金額はどれくらいか。。

(今は3000円からだそうです)

ドキドキしながらも美しい花に見入っていると

中に雰囲気のあるステキな男性が。

この方が花束を作ってくれるんだなと。

期待感、おおいにアップ!♬

            前の方達が注文するのを見ていたら

                    「この花とこの花を入れて、あとはお任せします。」

      そんな感じが多い。

                  私の前の方は「ドライになっても美しい花を。」

              あぁ、それもありかと思ったけれど、

                 生花の美しさを選ばないのはもったいない。

                 私もメインになる花を選んで待つ事30分。

          いよいよ私の番が来ました!

 

                 「一番美しい青い紫陽花と、ノーブルリリーと

                     アザミのような花を入れて、白と紫のイメージで。」

 

                 待つ事10分少々、でも彼は真剣に花を選び、

                  束ねては壊し、置き換えてまたバランスを見て。

これが私がお願いした花束です。

ビックリしたのは彼が花鋏以外何も使っていなかった事。

バラなどの季節は使うのかも知れないけれど、

茎を切る意外は全て手で葉をむしり取り、並べて束ねる。

「花と手」それだけの作業。

 

注文した方の言葉を聞きながら

最後にチラっとその方を見る、、

その一瞬で、作る花束のイメージを決めるのでしょう。

出来上がった花束の写真を撮るのを忘れました。

濃い目のピンクの紙に包んで、ラフィアの紐で結わえて

そして彼が出来上がった花束を抱えて私の方へ来て

「ありがとうございました。」と渡してくれる。

それを回りの皆さんが見ている。。

一瞬の女優気分とでも表現したら良いでしょうか。

なんて幸せな気持ち!

行列に加わった瞬間から

花を選んでいる間も

作っていただいている間も

そして花束を渡された瞬間も

そして花束を抱いてめぐる陶器市も、

それから帰宅して花器に活けてからも、、

ずっと魔法がかかっているように幸せな時間でした。

 

「ハヤシラボさんで作って貰った花束を抱いている人は

みんな嬉しそうで誇らし気ですよね。」

ある作家さんが話してくれました。

確かに。

 

普段、自分の為に花を買う事はあっても

自分の為の花束を作っていただくことはまずありません。

 

自分の好きな花を選び、それで自分だけの花束を作っていただいて

それを観衆の中で手渡される幸せ。

見ている皆さんも幸せそうな顔をしている。

そしてまたその人も自分の為に花束を作って貰う。

幸せのお裾分けをいただきながら、

自分も誰かにお裾分けしている、、

そんな幸せな気持ちにさせてくれる花屋さんでした。

 

またいつかどこかでお逢い出来たら作って貰いたい。

その時、私はどんな花を選ぶのでしょうか。

それを考えるだけでまた楽しい。💛