ふるさと

 

 

あの大地震からひと月。

ものすごく長い時間だった。

 

ようやく昨日でひと月。

原発はまだまだ不安要素がいっぱいで、、

それでも余震が落ち着いてくるのがひと月後というので

その日を指折り待っていた、まさにその日の昨日。

本震ほどではないにしろ、また震度6強の強い地震で

原発の電源と注水が一時中断。

あぁ、これで日本はお終いかと思った。

 

とりあえず50分程で回復したものの

原発事故としては最高レベルの7に指定された。

 

度重なる余震と原発への不安に

毎日のように眠れぬ夜を過ごしている人がたくさんいて

なのに、これでもか!とまた過酷な状況が襲ってくる。

 

毎日毎日同じ事を願う。

「とにかく一日も早く原発が落ち着きますように」

そうすればなんとか動き出せる。

つらいけど頑張れそうな気がする。

 

 

昨日の朝のニュースで

被災者が暮らす避難所を訪れた人が

フルートで「ふるさと」を吹いていた。

みんなが泣きながら一緒に歌を歌っていた。

こんなにもこの歌が愛しいと思った事がなかった。

 

 

 

「ふるさと」

   

兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川

夢は今も巡りて 忘れがたきふるさと

 

如何にいます父母 つつがなしや友がき

雨に風につけても 思い出ずるふるさと

 

 志を果たして いつの日にか帰らん

 山はあおきふるさと 水は清きふるさと

 

 

 

いつか帰れる日が来るのだろうか。

でももう二度とあの美しいふるさとを見る事は出来ないのだ。

それでも生き残った私達は、頑張って生きて行くしかないのだ。

 

 

 

あの地震の日から、家に花を絶やす事が出来ない。

今までは、緑があれば十分だった。

でも今は「花」が欲しい。

私の心の中に。