バラ色のガーネット

 

 

あっという間に1月が終わり。

あとひと月で春が来る。

風はまだまだ冷たいけれど、

毎日少しづつ日が延びてきて本当に嬉しく思う。

やはり春は、1年で一番待ち遠しい季節だと思う。

 

私の誕生石。1月はガーネット。

うちは母も1月生まれだったので、

手持ちの 数少ない指輪の中に

誕生石のガーネットがあったけれど、 、

父の仕事のつきあいで買わされたのだと、毎回前置きしながら

時々見せてくれた指輪は、「赤い」と言うより黒かった。

よくよく陽に透かさないと、赤い色が確認出来ないくらいの色だった。

なので私は「ガーネットは赤黒い石」と思い込んでいて、

だから、誕生石の話になると、ちょっと哀しかった。

出来る事ならダイヤモンドの4月や、

エメラルドの5月に生まれたかったといつも思っていた。

 

でもその後、思いがけない事で数年間

友達のジュエリーショップの手伝いをする事になり、

数多くの美しい宝石に触れる機会に恵まれ

夢中で自分なりに勉強してみたりした時期があった。

 

ガーネットには、「石榴石」と呼ばれる一番有名な

深い赤のアルマンディンや

パイロープというとてもクリアな赤、

それからグリーンやオレンジもある、、

本当は色の種類も豊富でとてもキレイな石とわかり嬉しかった。

  

 

ある時、仕入れたばかりの指輪の中に、

ふんわりと優しく、きれいな赤い石があるのを見つけた。

ルビーではないし、 トルマリンの輝きとも違うし、、

友達に聞いてみたら、「ガーネットだよ。」と。

「こんなきれいなガーネットがあるんだ。」とびっくりしたのを覚えている。

 

これは「ロードライトガーネット」という名前で、

バラ色のガーネットという意味らしい。

何とも深く優しい、可愛い赤である。

 

私は自分では赤系の服が苦手で、全然身につけないけれど、

こんなきれいな赤ならば、せめて指に飾ってみたいと思い

その後、可愛い花の形の指輪を見つけて買ってみた。

サイズがゆるゆるに大きかったので、

ちょっと遊んで人指し指にはめている。

これをすると指先にポッと花が咲いたみたいになる。

手元に可愛く優しい色があるのを見ると、なんだか嬉しくなる。

ダイヤモンドやルビーみたいに高くないし、、

ふところにも優しい宝石である。